ブリッジ修理編






1弦の弦高調整用イモネジが欠損しています。
近所の楽器店から、輸入元に問い合わせてもらったのですが、良い返事がもらえませんでした。
ネジ屋で探したのですが、ピッチが特殊なため、見つかりません。
仕方が無いので、ネジを作ることに。
小型精密旋盤を扱っている作業所に、知り合いがいないため、精密鋳造で作る事にしました。





型取り用シリコンで、ネジの型を採取し、陽型(パターン)になるレジンを充填する。





パターン用レジン(特殊な樹脂)を使用して出来たネジ。





弦高調節の駒(サドル)との適合を調節して、レジン・パターンの完成。
六角レンチ棒の穴は、正確にするため、レンチの切れ端をパターンに挿入しておき、鋳型を作る時、一緒に埋没する。





レジン・パターンをロストワックス鋳造法に準じて、鋳造する。

金属は、ニッケル・銅合金の一種、ジャーマンシルバー(白銅<洋銀)を使用。
鋳造後に、400℃炉冷冷却で硬化熱処理をする。
六角棒レンチの切れ端は、鋳型の加熱で酸化膜が張り簡単に除去出来た。





適合を確認して、イモネジの完成。

ロストワックス鋳造は、私の本業で日常的に行なっている仕事の一部なので、簡単にできます。





ネジの色は、合わないものの、弦高調整に支障は、なくなりました。





次のページに進む。