楽器に使われる木材の、一般的な特性(追加・修正して、他サイトのパクリです)


木材名 主な産地 音質の一般的意見 おもな特徴・用途
ハードメープル 北米、カナダ 音の輪郭がはっきりしていて、高域とサスティーンに優れる。 緻密で狂いが少ない。ネック材として使われる。レスポールのトップ材。ボディ材としてはアタックが強すぎるため、マホガニーとプライする。
ソフトメープル カナダ、北米 ハードメープルほどの音の輪郭やサスティーンはない。 レスポールのトラ目など美しい杢目。以前は価格が安かったので1ピースまたは2ピース程度でボディ材として使われていたが、近年の価格高騰で他の木材とラミネイトしてトップ材料として使われる。
マホガニー 北米 中、低域に優れるが、高域不足。 安定度が高く、軽量。レスポールのバック材やSGのボディ材として使われ、薄い材でも厚味のある音が出る。
アルダ− 北米、カナダ 平坦で広域な特性。 加工性に優れ、乾燥が速く、安定性も良好だが、保存性は低い。広い特性のため、ベースやギターに広く使われる。
ホワイトアッシュ
(トネリコ)
北米、カナダ 低域の輪郭がよく、温かみのある音。 適度に堅く重い、耐久性に富む。加工性も良く、ステインや艶だし加工で美しく仕上がる。ベースの材料に最適。弾力性に富むので運動具材に多用。ストラディバリウスなど高級バイオリンの表甲板にも使ってある(裏板はシカモア)。
スワンプアッシュ 北米 高域に優れるが、低域が不足ぎみ。フュ−ジョン系の音。 水に浸かって生えているアッシュの水中部分の木材で、ミネラル分を大量に含んでいる。乾燥後は軽量で堅く強い。50年代のフェンダーで使われていた木材。数量が少なく高価。
セン
(ジャパニーズアッシュ)
日本、東アジア 中域が強調され、特性は狭い。 軽く軟らかく加工がしやすい。保存性は低い。木目が高級材の欅に似ているので着色で代替品にすることも。価格が安いので国産物によく使われるが、ギターにはあまり適さない。
バスウッド 北米東部、五大湖沿岸 平坦な特性でバランスがよい。 軽軟で加工性に優れ、乾燥が速く、安定性は高い。木目にしみがでることがあり、シースルーの塗装にむかない。1980年代には高級ギターの一部で利用されていた時期がある。
パーフェロー 中南米 アタックが強く、サスティーンも長い。 エボニーとかなり近い特性をもつ。感触がローズに近くフレット交換で木が剥がれない。生木に触れると皮膚の弱い人はかぶれることが稀にみられる。
エボニー
(黒檀)
東南アジア アタックが強くサスティーンも長い。 非常に重く硬い。加工は難しいが耐久性は非常に優れる。指板材の定番。感触はなめらかなフィンガリングで磨くと光沢がでる。仏壇・ゴルフクラブヘッドの用途。唐木。
ローズウッド
(紫檀と混同)
インド エボニーよりややソフトな音。 緻密で重硬。エボニーと並ぶ指板材の定番。乾燥・加工性に難はあるが、吸水性に優れ、フィンガリングが滑らか。ボディー材として稀に利用されるが、重いためセミホロウやホロウボディとして使われる。耐朽性が極めて高い。高級三味線にも使用される。唐木。
ハカランダ ブラジル ローズウッドとほぼ同等。 ブラジリアンローズウッドというのが正式名称で、現在ワシントン条約で取り引きが禁止されている。個人輸入で楽器を購入しても、産地・取得年などの証明書をしっかり揃えないと、通関できないので注意。ホンジュラス産、ビルマ産は規制外。油脂が多く、指板には適材。
ポプラ 北米、五大湖周辺 低域はあまり出ず、ナローレンジ。 安いギターに使われる木材。低音も出ないし周波数特性もよくないが、爽やかな鳴りをする。70年代ではフェンダーのジャガー等にも利用されていた。
スプルース 北米、ヨーロッパから日本まで 柔らかく振動板として最適。 アコースティックギターの殆どがこれでできている。但し、産地による品質の違いが著しく、価格も様々。ピアノの響板やバイオリンの甲板にも使う。
コア
(アカシヤ系)
ハワイ 中域に特徴があり、マホガニーにも近いところがある。 一般的にはウクレレで利用されることのほうが多い。ハワイのみで生育しており、出荷制限しているので入手困難。米国製B.C.リッチには、良く使用されている。
コリーナ アフリカ マホガニーに近く高域の抜けが良い。 ギブソンエクスプローラーやフライングVで使用された材。
ウオルナット
(オニグルミ)
南米、ヨーロッパ 中低域に特徴があり、太めの音。 木質は、やや重硬、狂いが少ない。ステインが良くなじみ、オイルフィニッシュにされることが多く、木目が美しい。メープルネックのトラスロッドを埋めるのにも使われる。
アフゼリア アフリカ パンチの効いた低音、空気を振るわせる高音。 非常に緻密性がある硬材。他の木材より多少重い。
ブビンガ アフリカ クリアーな低音、輪郭のはっきりした中高音。 光沢に優れ、重硬だが形成が容易。
巨木になるので、巨大和太鼓の胴にも使用される。
オバンコル アフリカ ウオルナットに近い。音質はブビンガと同等。 色が濃茶で、濃い黄色と黒の縞模様が入っている。
波模様の立体的な木目が非常に美しい。
チェリー 北米東岸 マホガニーの代用材。 やや軟質で加工が容易。乾燥が速いが収縮率はやや高い。
バドウク
(花梨)
東南アジア・アフリカ ローズウッドに近い。 強靭、硬質で重い。加工性は良い。磨くと光沢が出て美しい。普及用の三味線にも使用。唐木。
ウェンジ アフリカ ローズウッド、エボニーに近い。 非常に頑丈で堅く緻密で重い。シーズニング後の安定は良く、耐久性がある。
ワーイックの指板に使用されている。
キャロリーナ
(カロリナ)
北米 中音域に優れ、暖かみのある低音。ポプラと同系。 非常に軽量。抑えた感じの自然な音質。
クラーロ
(クルミ)
北米西岸 パンチの効いた低音、クリアな中高音。ウオルナットと同系。 やや重硬で、狂いが少ない。ステインがよくなじみ、艶だし加工で美しく仕上がる。加工性も良い。
レッドウッド 北米西岸 木質が軽軟で、加工性に優れる。仕上がり良く、保存性が高い。
世界最長の木。セコイアの学名で有名。
コットンウッド 北米東部 ポプラ・カロリナと同系。 木質は比較的軽軟。強度は弱いが、接着性が良く割れにくい。乾燥は早いが、安定性に少々欠ける。
タガヤサン
(鉄刀木)
東南アジア エボニー・ローズウッドに近い。 重硬で強度が高く粘りがある。耐久性が高く、磨くと美しい光沢が出る。A.ギターの側板に使われる。唐木。
ヒッコリー 北米東部 クラーロ・ウオルナットに近い。 重硬で強度が高いが割れやすい。衝撃吸収力が大きいので響きが悪い。ドラムのスティックには多用。
チーク 東南アジア 太く甘いサウンド。 世界の最高級材のひとつ。重硬で耐久性に優れる。オイルフィニッシュに向く。ネック・ボディー材として使われる。良質なチーク材は極めて高価。船舶関係に多用。
ココボロ 中米西岸 力強い低音、鋭い高音。ローズウッドに近い。 非常に重たい。木目が美しい。主にA.ギターの側板・バックに使用される。
ケヤキ
(欅)
東アジア・日本 ブビンガに近い。 やや重硬で、耐湿・耐久性に優れる。安定するまで、乾燥に時間を要する。美しい杢目が現れることがある。日本の代表的な銘木。A.ギターの側板。和太鼓の胴に使用。
魚鼓(ぎょこ)・魚版(板) {ホウ(朴の木)も使用される}
木柾(もくしょう) {花梨・(山)桜も使用される}
クワ
(桑)
東アジア・日本 緻密で狂いが少なく、加工が容易。
最高級の木魚(もくぎょう) 玉鱗(ぎょくりん)に使用。{木魚の高級品は楠(くすのき)}
最高級の茶道具。
カキ
(柿・黒柿)
東アジア・日本 エボニーに近い。 重硬で緻密。加工性に難があり、割れやすい。縞模様や濃淡がある材を黒柿と言い珍重。
ゼブラウッド 中央アフリカ 重硬で濃褐色の粗く美しい縞杢。磨くと光沢が出る。乾燥・加工が難しい。
ナトー
(ニヤトー)
東南アジア スプルースの代用材。 軽軟なものから重硬のものまであり、耐久性は低い。接着性、仕上がりは良好。A.ギターの裏側板やネックに使われる。国内産の高級材、真樺(マカンバ)・椛(カバ)と同系。
シダー
(檜・桧系)
北米東岸・カナダ スプルースに近い。 スプルースよりアタックが強く、明るく鋭い。高級A.ギタ−のトップ材。特にガットギター。
ビーチ
(椈・ブナ)
北米 ナトーに近い。 重硬で粘りがあり、緻密で接着性が良く、表面の仕上がりも良い。曲げ加工に適している。A.ギターに使用。
シカモア 欧州中部・西アジア メイプルと同系。 別名、グレート・メイプル。光沢のある乳白色が美しく、縮み杢のある材は大変高価。最高級A.ギターやバイオリンの甲板に使用される。
グラナディラ - クラリネット・リコーダー・フルート・ピッコロなどの木管楽器に使用。(ファゴットなど大型タイプはメイプル)
キングウッド - 高級なオーボエ・リコーダー・クラリネットなどの木管楽器に使用。
アガチス
(南洋杉)
東南アジア・太平洋諸島 '70年代の国産E.ギターにメイプルとプライしてボディーにつかわれていた。
タウン 東南アジア チークに近い。 '70年代の国産E.ギターにマホガニーとプライしてボディーにつかわれていた。
カツラ
(桂)
日本 '70年代の低価格の国産E.ギターのボディーにつかわれていた。
カバ
(樺・椛)
日本 ビーチと同系。 '70〜'80年代の中クラス国産セミアコギターにブナとプライしてボディにつかわれていた。
ブナ
(椈)
日本 バーチと同系。 '70〜'80年代の国産E.ギターにカバとプライしてボディーにつかわれていた。
マトワ 東南アジア タウンと同系。チークと混同。 '70年代、一部の国産E.ベースのボディーにつかわれていた。
バーチ
(樺・カバ)
北米東部・五大湖沿岸- ナトーと同系。 '70年代、ビーチとプライして、セミアコ(セミホロウ)のボディー・リムに使われていた。

紅木=唐木=花梨・白酸枝・紅酸枝・ローズウッド・紫檀・黒檀(烏木)・欅など=マメ科属の広葉樹 環孔性散孔材が多い。

もっと詳しく知りたい方は、  府中家具工業協同組合のHPへ。

それでも不足な方は、 米.ケン・スミス社のHPへ(英語サイト)。

木材の画像付きで説明してある  モリダイラ楽器、ワーイックの日本語サイトへ。

パーカー・ギターの木材画像サイト  ラップド・カーボン・ファイバー・ネックのBass画像もあります。

シェクターの木材画像サイト 

成清楽器工房の木材画像サイト 

総合木材商社の(株)IMKの木材図鑑  国内楽器メーカーへ木材を供給している会社。

(株)ウガイ銘木のサイト  「素材」「銘木」のサイトに画像。

建材会社のアレックスコーポレーションの木材図鑑 

個人の楽器用木材画像付き説明サイト       

ギターの改造・リペアを扱っている  いじりやさんのHPに、塗装や木材の専門的な音響特性の説明があります。


指板と材料の関係

指板とネックの材料については、主にメープルとローズウッド、ハカランダ、エボニー、マホガニーなどが単板や貼りあわせで使われています。(ハカランダは現在ほとんど見かけない)
ハラカンダ指板が使われているギターは、「イバニーズ LR-10 '80」「ムーン '79頃の初期モデルの一部」などがあります。
ローズウッドが一番良く指が滑ります。メ−プル指板は指がひっかかりやすいので、ある程度自分の演奏スタイルがきまってからのほうが良いと思います。ローズやエボニーは、レモンオイルをしみ込ませるとフインガリングがなめらかになります。
指板に関しては、材料による音響特性の影響はあまり無いようですが、ネックの剛性・安定性に関係してきます。
また、ベースのスラップ奏法で弦を当てたとき、音色や鳴りの違いが出ます。ベースギターは、考慮して選択してください。

塗装方法による音響特性

現在、エレクトリックギターのフィニッシュには、ポリエステル・ゲルコート、ポリ・ウレタン、ニトロセルロースラッカーが主流です。
塗装法 特徴
ポリ・ウレタン 現在主流で、手間がかからず最も安い塗装法です。塗装期間も短く済み、乾燥後の安定も抜群なので、安価なモデルを中心に広く使われている。
ラッカー 〜50年代に主流だった塗装法。経年変化が著しく、塗装行程に手間がかかり乾燥時間もながいため、70年代に入ると手間のかからないポリウレタンに変わっていった。しかし、近年小規模のハンドメイドのメーカーが、ラッカー仕上げの製品を世にだし高い評価を受け、最近では高級なギターのフィニッシュとして完全復活を成し遂げた。
オイルフィニッシュ 主にチーク、パドーク、ウオルナット、など油分を吸収しやすい特殊な木材での特殊なフィニッシュです。レモンオイルなどを何日もかけてしみ込ませ、木の表面を油膜で水分を断つ極めて手間のかかる塗装法。


塗装法による音響特性の違いについて、一般的に、塗装は薄ければ薄いほど良い、とされています。ラッカーは、薄く仕上げるためには、1日に1回の塗装で20日ほどかかるといわれています。そして、塗装膜が木の表面のでこぼこと一体になって響きが良くなるといわれています。
ポリ、ウレタンは塗装面が厚く、音響特性上よくないとされていますが、経年変化が少なく、特に日本のような1年で湿度、気温の変化が著しい国ではありがたい安定性をもっています。どの方法が一番よいとは、一概には言えません。
最近ではヤマハが塗装面の安定を保ちながら音響特性もよい塗装法を開発したようです。

木目が判る塗装がしてある楽器は、ある程度良い木材が使用してあります。美しい杢目だけ(音質は無視)を売りにしている製品もあります。
粗悪な木材を分厚い塗装で木目を隠した製品もあります。30年以上前は、ラワン合板ボディーもありました。(勿論、安価でした)

カーボン・クロスが表面に出してある物は、エポキシ塗装です。グラス・ファイバーの射出形成品(オベーションなど)は、ポリエステル樹脂です。


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